楊柳亭ことがたり

空蝉〜うつせみ

2022.8.2

毎日暑い日が続きます。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
朝から太陽とともに蝉の鳴き声が響き、暑さを一層際立たせるようです。
蝉の鳴き声は、私たちの記憶の中の夏という季節には欠かせないものですね。

楊柳亭の玄関の庭で草を抜いていたところ、庭に植えてある
万年青(おもと)の葉の裏に蝉の抜けがらをふたつ、見つけました。こんなところから蝉として羽ばたいたのだと思い、何かしら感慨深い思いがいたしました。

空蝉(うつせみ)、蝉の抜けがらのことをこう呼ぶ、日本人の感性をふと思いました。
はかなさの象徴のような、蝉の抜けがらです。
しかし、長い時間を地中で過ごし蝉として生きるのは短いながら、こうやって抜けがらを残し、私たちに自らの生命の力を示しているようにも感じます。

空蝉という言葉は、転じていま現在を生きる人のことも表わすとも言われています。

一年中緑の葉である万年青(おもと)は、松と同様、めでたさの象徴です。その万年青の葉の裏から飛び出したこの蝉たちも、なんだかとてもおめでたく感じた夏の日です。

思いもよらない事件、おさまらない感染症の蔓延、変わりゆく気象現象。
おだやかではない時代かもしれませんが、自然の小さな営みは変わらず営まれているということは救いであり、私たちが心して守っていかなければならないと感じます。

楊柳亭では、季節限定(8月.9月)のお弁当を作っております。HPのお知らせにものせておりますのでご覧ください。

また、10月14日(金)ワインと和食の会を企画しております。
ワインのプロの方をお迎えしての面白い会になると思います。
生演奏の音楽をBGMに皆様にお楽しみいただこうと思っております。
詳細は、おってお知らせいたします。